カラダと暮らしとお酒の関係
休肝日もうひと声!
週に3日以上が効果大!?
休肝日を週3日以上設けると、週の総飲酒量が多くても総死亡率が上がってきません!
3日の間に肝臓が修復すると考えられそうです。まずは週2日の休肝日を習慣にして、もう1日頑張って増やしてみましょう。 ※ 飲酒日にドカ飲みするのは厳禁です。
顔が赤くなる遺伝子は大陸から?
顔が赤くなる遺伝子は近畿・中部に多く、東北や九州南部では比較的少ないようです。謎を解くカギは古来民族。縄文人は元来お酒に強かったのですが、弥生人が大陸から移り住んで赤くなる遺伝子が広がったのではと考えられています。

ビール腹はつまみのせいだけじゃない?
アルコール体質と肥満
アルコールは実は高カロリーです。アルコールの分解中は、脂肪などの他のエネルギー源を使いません。つまり遅い代謝のADH1B(A、C型)でゆっくりと分解していれば、脂肪は体に残ったままということになります。
鍛えるとお酒が強くなる?
アセトアルデヒドには、多幸感をもたらす作用もあります。飲み続けると不快症状が薄らぎますが毒性はそのままなのでご注意。また多量飲酒をしてもADH1Bは増えませんが、別の酵素群MEOS(メオス)が強まります。このMEOS、代謝の際に体に酸化ストレスを与えてしまいます。やはり休肝日と適量飲酒が大切です。
酒は百薬の長?万病の元!?
「飲酒量はゼロがいい」という驚きの研究結果が報告されました。純アルコール量が週に100~150gくらいまではゆるやかに、以降は急激に疾患リスクが上昇します。日本では週に140gが適量とされていますので少々飲みすぎです。では心の健康は?ゼロでは過度のストレスになる可能性も…。心身の健康バランスを考える必要がありそうです。

依存症のはなし
A型にはつらい!
お酒に寛容な国、ニッポン
白色・黒色人種の9割以上が遅い代謝のADH1B(A、C型)。夜遅くまで飲むと、翌朝は仕事になりません。こうした理由でCM規制や路上飲酒の禁止など海外ではお酒に対する目が非常に厳しくなっています。一方、日本人のほとんどがB型とD型。B型は翌日に残りにくく、D型はたくさん飲めません。遺伝的に守られたお酒に寛容な国が日本です。お酒がどこにでもある、これはアルコール依存症になりやすいA型の人には酷な環境です。米国では依存症患者が家族に1人くらいと珍しくなく、克服を応援する社会です。日本人は男性で1%、女性はその10分の1と大変稀です。意志が弱いから、やめても当たり前、そんな大多数の人の無理解も深刻な問題なのです。

女性とお酒の付き合い方|乳がんとアルコールの関係
一般的に女性は肝臓が小さく、血液量が少ないためアルコールが体内にとどまる傾向があります。またアルコールは乳がんの発症リスクを高めるという研究結果が国内外の機関から多く発表されています。アルコール摂取量と発症リスクの正確な因果関係は分かっていませんが、アセトアルデヒドの影響も疑われ、赤くなるALDH2を持つ人(C、D、E型)でリスクが高まる可能性があります。以前ほどお酒を飲まなくなった日本人の中で、若い女性の飲酒率だけが増加しています。適正量の飲酒であればリスクは少ないといわれています。女性は特に適量を守ってお酒と上手にお付き合いしましょう。

参考:横山 顕著「お酒を飲んで、がんになる人、ならない人」星和書店
公益社団法人アルコール健康医学協会「女性と飲酒」
葉石かおり著「酒好き医師が教える もっと! 最高の飲み方」日経BP