アルコール体質を知ろう!あなたは…お酒が全く飲めないE型です!日本人の4%

ノンアルで乾杯☆

ごく少量のお酒で
不快症状が出るタイプ

急性アルコール中毒の危険性大!

まずは基礎知識

お酒を分解するしくみ

お酒を飲むと、アルコール(エタノール)の20%が胃で、80%が小腸で吸収されます。
吸収されて血中に入ったエタノールは、肝臓に運ばれて代謝されます。

お酒の分解と代謝酵素

エタノールを分解する酵素「ADH1B」と、強い毒性をもつアセトアルデヒドを分解する酵素「ALDH2」。アルコール体質は、この2つの酵素の活性の組み合わせで決まります。

ADH1Bがエタノールをアセトアルデヒドに分解→ALDH2がアセトアルデヒドを酢酸に分解→二酸化炭素と水に変換→体外へ
E型の代謝酵素
アセトアルデヒドの
分解ができない!

アセトアルデヒドを分解することができない。
※ ALDH2不活性の場合、ADH1Bの活性によらずE型となります。

不快症状をもたらす毒素「アセトアルデヒド」を分解することができないため、飲んだ分だけアセトアルデヒドが体内に蓄積される体質です。重篤な症状を引き起こす可能性があります。

E型が注意した方がいい病気は?

無理な飲酒は絶対にやめましょう。

アセトアルデヒドを分解できないあなたは、決して無理にお酒を飲んではいけません。わずかな量であっても急性アルコール中毒になったり、意識障害から大怪我をする可能性が高いです。

E型が注意すべき病気 その1

急性アルコール中毒

アルコールを一度に多く摂取することで血中のアルコール濃度やアセトアルデヒド濃度が一気に高くなり、意識レベルの低下、嘔吐、呼吸状態が悪化するなど危険な状態に陥ります。E型はごく少量のお酒でも、すぐに顔が赤くなり気持ち悪くなったりしますので、お酒は飲まないほうが良いでしょう。

E型が注意すべき病気 その2

アルコール関連外傷

故意かどうかに関わらず、アルコールの影響下で生じた外傷(怪我)のことをいいます。たまの飲み会など、いつもはそれほど飲まない方が多く飲酒することで怪我が生じやすくなります。頭などを打ったりすると、くも膜下出血や脳挫傷、骨折など、後遺症が残る危険性もあります。

定期的な検診を心がけましょう!

飲酒により引き起こされる主な病気

E型が特に注意すべき病気

吉本先生のワンポイント講座

E型のあなたが
お酒と永く付き合うコツ!

気を付けたい飲酒習慣とヒント

お酒が飲めないことをポジティブに
受け止めましょう

お酒が飲めないことは健康を考えればとても良いことです。お酒を飲む人たちは、多かれ少なかれどうしてもお酒に依存してしまうリスクを負っています。わざわざ無理にお酒を飲み、命にもかかわる危険を冒すよりも、アルコールから解放された生活を楽しみましょう。

おすすめのお酒の飲み方

新しい文化を切り拓こう!

お酒を飲むのはなぜでしょう?おいしいから、リラックスしたいから、コミュニケーションをとりたいから。すると、そこにアルコールは必要ないのかもしれません。料理とペアリングしたドリンク、洗練されたノンアルコールカクテル、飲み物それ自体にこだわれば、より豊かな人生を楽しめるのではないでしょうか。

吉本 尚先生

吉本 尚(よしもと ひさし)先生

筑波大学医学医療系 准教授
健幸ライフスタイル開発研究センター長

アルコール健康障害対策基本法推進ネットワークの幹事として、プライマリ・ケアを担当する立場からアルコール対策に関わる。北茨城市民病院附属家庭医療センターで飲酒量低減外来を開設。2022年新設の筑波大学健幸ライフスタイル開発研究センターにてセンター長を務める。NHKきょうの健康ほか、メディア出演も多数。