アルコール体質を知ろう!あなたは…お酒で顔が赤くなるD型です!日本人の40%

赤くなっちゃった!

顔が赤くなるタイプ 
少量で楽しめます

徐々に慣れて、お酒の量が増えると…
口腔・消化管のがんに注意!

まずは基礎知識

お酒を分解するしくみ

お酒を飲むと、アルコール(エタノール)の20%が胃で、80%が小腸で吸収されます。
吸収されて血中に入ったエタノールは、肝臓に運ばれて代謝されます。

お酒の分解と代謝酵素

エタノールを分解する酵素「ADH1B」と、強い毒性をもつアセトアルデヒドを分解する酵素「ALDH2」。アルコール体質は、この2つの酵素の活性の組み合わせで決まります。

ADH1Bがエタノールをアセトアルデヒドに分解→ALDH2がアセトアルデヒドを酢酸に分解→二酸化炭素と水に変換→体外へ
D型の代謝酵素
アセトアルデヒドが
どんどん作られなかなか消えない

エタノールを分解する働きが強く、アセトアルデヒドを分解する働きが弱い。

不快症状をもたらす「アセトアルデヒド」がどんどん産生されて、なかなか分解されない体質です。アセトアルデヒドが蓄積するため、顔が赤くなったり辛い症状が表れやすいです。少量飲酒を心がけましょう。

D型が注意した方がいい病気は?

アセトアルデヒドが
脳や体に悪影響を及ぼします。

毒性の強いアセトアルデヒドが蓄積し、脳や体に異常が生じます。神経系への影響から認知症のリスクが考えられます。また、アセトアルデヒドを多く含む唾液の影響などから頭頚部がん・食道がんのリスクが高まります。

D型が注意すべき病気 その1

認知症

いくつかの研究で、ALDH2の活性が低いタイプではアルツハイマー病のリスクが高まっているということが報告されています。分解できずに高濃度でとどまるアセトアルデヒドに誘導される物質が、神経系に悪影響をもたらしているのではないかと考えられています。

D型が注意すべき病気 その2

頭頚部がん・食道がん

頭頚部には呼吸や食事、発声など生活に大切な機能が集中しています。頭頚部がんと食道がんはよく併発します。アセトアルデヒドが高濃度に含まれた唾液が原因の一つとして推測されています。進行すると食道の違和感や、声のかすれ、胸部・背部痛などの症状が出ます。喫煙とのかけ合わせでリスクが跳ね上がります。

定期的な検診を心がけましょう!

飲酒により引き起こされる主な病気

D型が特に注意すべき病気

吉本先生のワンポイント講座

D型のあなたが
お酒と永く付き合うコツ!

気を付けたい飲酒習慣とヒント

顔が赤くなるうちが華!
鍛えたりしないように

顔が赤くなったり頭痛や吐き気に悩まされて辛い!実はこれ、とても優れた防御システムなのです。楽しいうちにお酒をやめればまさに適正飲酒、永くお酒とお付き合いできます。けれどたくさん飲んで慣れてしまうと同じ量でもダメージは深刻。酒量が多い方は、健診で異常値が出なくてもお医者さんに体質を伝えてみてください。

お酒と永く付き合うために大切なこと

大切なのは「適量飲酒」と「休肝日」

1日の適量は、ビールなら中瓶1本、ワインならグラス2杯弱です(女性は半量)。「少ない!」と思われる方は無理のない範囲で減らしてみましょう。せっかく少量で楽しめる体質なので、まずは週2日以上の休肝日を設けましょう。自然と効果が表れますよ。

おすすめのお酒の飲み方

お酒のバラエティを楽しみましょう

D型のあなたこそ、お酒の世界を無限大に楽しむことができるかもしれません。たくさん量を飲むかわりに、いろいろな種類のお酒にチャレンジしてみましょう。飲んだことのないお酒や、知らないカクテル。今日はどれにしようかな?お酒の魅力を味わいながら楽しいひと時を過ごしてみてください。

吉本 尚先生

吉本 尚(よしもと ひさし)先生

筑波大学医学医療系 准教授
健幸ライフスタイル開発研究センター長

アルコール健康障害対策基本法推進ネットワークの幹事として、プライマリ・ケアを担当する立場からアルコール対策に関わる。北茨城市民病院附属家庭医療センターで飲酒量低減外来を開設。2022年新設の筑波大学健幸ライフスタイル開発研究センターにてセンター長を務める。NHKきょうの健康ほか、メディア出演も多数。